"いいこと"

ちょっぴり"いいこと"があった。
それはそれは、ささやかな"いいこと"。



最近わりとよく行くようになった店に入ったら、店員さんに「いつもありがとうございます」と声掛けられたこと。



カウンターで向かいに座った外国のお兄さんに「スイマセン、ライターありますか?」と聞かれて「はい」と差し出したら、親指を立てて「ドウモ!」と言ってくれたこと。



あとは…んー、少しずつ、旅行の大枠が決まりつつあること。とか。



「最近なんか"いいこと"あった?」



「"楽しいこと"話してヨ」




電話口でよく、こんなことを言われる。


そうやって言われると、僕はいつも「うーん」と唸る。
日頃から"いいこと"とか"楽しいこと"に対して無自覚に生きているからなのか。そもそも、"いいこと"とか"楽しいこと"があんまりないからなのか(もしそうであるなら、なかなか悲しい)。



なんにせよ、自分のことを饒舌に話すのって、意外と難しい。



まぁまぁ、だからなに、ってわけではなくて。
単に懐古話としてね、そういうこともあったな、という。


いいことがあった。そんだけ。