二度寝のあと、午前9時半。耳と目の周りが茶色いいぬ。
いぬが起きると、部屋の中がいつもと違っていることに気付た。
なにかが違う。なにが違う?
いぬは探す。
他の動物たちと一緒に。たくさんの友達と一緒に。
押入れの奥の方を探しているとき、大きな音が聞こえた。
いぬ達は驚いて部屋の中を見回す。
音はない。なにもない。彼らは壁に沿うようにして、目を閉じて、身動き一つない。
いぬ達は部屋の襖をあける。
そこは暗闇。部屋からの光のおかげでそこが暗闇だとわかる、そこは暗闇。
先の方は見えない。
いぬ達は部屋を抜け出し、暗闇の中を進む。
…
襖を開ける。
そこは月だった。